移動・方向を表す動詞の後ろにつけて、 動作・行為の方向を表す補語を方向補語といいます。
方向補語になれる動詞は限られていて、
基本的なものは「来」と「去」、その他に「上」「下」「进」
「出」「回」「过」「起」「开」
があります。
方向補語の発音は通常、軽声で発音します。
<動詞+来・去>
話し手・話題になっている事柄に近づいてくるときは
「来」、遠ざかるときは「去」を用います。
意味は日本語の「来」「去」とほとんど同じです。
pǎo lai jìn qu
跑 来(走ってくる) 进 去(入っていく)
huí qu chū lai
回 去(帰っていく) 出 来(出てくる)
方向補語を伴った動詞が目的語をとるとき、目的語は方向補語の 後ろに来ますが、「来」「去」の場合は、その直前すなわち 動詞と補語の間に置きます。
tā huí jiào shì qù le
他 回 教室 去 了。 彼は教室に帰って行った。
動詞+方向補語の「回去(帰っていく)」の間に目的語である「教室」を 置く。
<動詞+上・下・进・
出・回・过・起・开>
「来」「去」以外で方向補語になれるのは次の8つだけです。
「上」・・・上る
「下」・・・下る
「进」・・・入る
「出」・・・出る
「回」・・・戻る
「过」・・・過ぎる
「起」・・・起きる
「开」・・・離れる・広がる
tā zhàn qi le
他 站 起 了。 彼は立ちあがった。
tā pǎo hui le jiàoshì
他 跑 回 了 教室。 彼は教室に走って戻った。
<動詞+上・下・进・
出・回・过・起・开+来・去>
前出の8つの動詞と「来」「去」を組み合わせて動作の方向を表すことができます。
次のような表で示すことができます。
上 | 下 | 进 | 出 | 回 | 过 | 起 | 开 | |
来 | 上来 | 下来 | 进来 | 出来 | 回来 | 过来 | 起来 | 开来 |
去 | 上去 | 下去 | 进去 | 出去 | 回去 | 过去 | × | × |
tā zǒu chu qu le
他 走 出 去 了。 彼は走って出て行った。
tā zǒu jin jiàoshì lai le
他 走 进 教室 来 了。
彼は教室に走って入ってきた。
■方向補語の否定文
一番前の動詞の前に「没(有)」を置きます。
tā méi you pá shang fù shì shān
他 没有 爬 上 富士山。
彼は富士山に登ったことがない。